スペイン語を話せるようになりたい。そう思って勉強していても、それが効率的な方法でなければ、いつまで経っても話せるようにはなりません。
多大な労力を払って成果なし。そんな状況に陥りたくはありません。せっかく勉強するのであれば、最小限の労力で効率よく行いたいです。
僕は38歳からスペイン語の学習を始め、4ヶ月後にB1、1年後にB2、そして2年後にC1の評価(※スパニッシモ)を得ることができました。
2018年7月5日にスパニッシモのオンラインレッスンを予約して2年が経過しました。
こんなに続けるとは思ってなかった😁
モチベーションの浮き沈みが激しいですが、少しずつでもいいので継続してスペイン語の勉強をしていこうと思います。 pic.twitter.com/uD90Mxtajw
— Daruma|ろっこん (@daruma_miopini) July 4, 2020
留学はしていませんし、サラリーマンをしながらの取り組みでした。
いろんな回り道もしましたし、仕事と勉強を両立させることは大変でしたが、より効率的な学習方法を模索しながらスペイン語の勉強に励んできました。
今では同僚のスペイン人と通訳を介さずにコミュニケーションをとることができています。
そんな僕がスペイン語を習得うえで重要だと考えるポイントは以下のとおりです。
- 単語力がものを言う
- 動詞の活用に慣れよう
- スクールで基本を学ぶことは大事
- 会話(実践)をしながら学ぶ
- モチベーションを維持するための工夫をする
- インプットとアウトプットの習慣化
このポイントを軸に、これからスペイン語の学習を始めようと思っている初心者のために、僕がスペイン語を話せるようになったプロセスを解説していきます。
この記事がこれからスペイン語を学習しようとしている方の助けになると嬉しいです。
Contents
単語力が物を言う
僕がスペイン語を学んでいるときに一番大事だと思ったのは「単語力」です。意思疎通をはかるという観点だけで言えば、単語がわかれば多くのことは何とかなります。
初期の頃に、単語とジェスチャーで乗り切ったことは多々ありました。
まずはボキャブラリーを増やす。そこに時間を費やす必要があると考えています。
日常会話に必要な単語数
スペイン語の日常会話に必要な単語数は1500語〜2000語だと言われています。まずは約1500語を覚えることを目標にしたいところです。
単語はフレーズのなかで覚えたほうが頭に入ってくる感じがしました。
だからもし単語帳を買うのであれば、単語の意味だけじゃなくフレーズも載っているようなものを買ったほうが良いでしょう。
※僕が初期の頃に使っていたのは以下の単語帳です。
この単語帳は1500語を収録していますし、単語のあとに例文も書いてあるので、フレーズのなかで覚えることができます。
また音声で発音を確認できるので、リスニングの効果も期待できます。
ただ注意点としては、この単語帳に載っている単語だけでは、ネイティブレベルのコミュニケーションを成立させるには不十分だということです。
僕が実体験で感じたのは、相手が気をつかって話してくれれば、おおよそのことを理解できるという感じでしょうか。それくらいのボキャブラリー数だと思います。
まずはこの単語帳で頻出度の高い単語を徹底して覚え、その後にもっとボキャブラリーを増やしたければ、より語彙数の多い単語帳を購入すると良いでしょう。
単語は繰り返し反復することが大事
単語を覚えるときに大事なのは「反復」です。とにかく繰り返し学習しましょう。一度の学習で覚えることは不可能なので、単語に触れる回数を増やすことが大切です。
あとは声に出して読むのもおすすめです。音読をすると口が勝手に動くようになります。
エビングハウスの忘却曲線
エビングハウスの忘却曲線ってのがあって、人が何かを学んだときに以下の確率で忘れてしまうようです。
✔︎20分後に42% ✔︎1時間後に56% ✔︎1日後に67% ✔︎6日後に75%
このように一度きりの学習では、1週間以内に多くのことを忘れてしまうので、繰り返し学び続ける必要があるのです。
脳研究者の池谷裕二氏によると、以下のタイミングで復讐を行うと、脳の記憶を司る海馬が「必要な情報だ」と認知し、長期記憶として定着させるそうです。
- 1回目:学習した翌日
- 2回目:1回目の復習から1週間後
- 3回目:2回目の復習から2週間後
- 4回目:3回目の復習から1ヵ月後
単語に触れる回数を増やし、繰り返し学習しましょう。
アプリや単語帳で利便性をアップ
学習には継続が必要ですが、継続を促すためには利便性を追求する必要があります。
簡単で便利じゃなきゃ続けるのが大変ですよね。
だから単語の勉強はスマホを軸に構成することをおすすめします。そうすることで、単語の勉強をするときに、わざわざ何かを用意したり、持ち運ぶ必要がなくなります。
スマホは常に持ち歩いていますよね。スペイン語のアプリをダウンロードしたり、単語帳の音声を入力しておくことで、気軽に単語の勉強をすることができます。
僕が使っていたスマホアプリです。このアプリはいろんな角度から出題してくれるので、記憶として定着しやすかったと感じています。
語彙力をアップさせるための手段として、単語カードを作ってひたすら反復してチェックしました。
本やネットニュースを見てわからなかった単語をカードへ記入。
ひと単語に費やす時間は2〜3秒。わからなかったら意味を確認して次の単語へ。 pic.twitter.com/Bb8gbaIS9h
— Daruma (@daruma_miopini) September 19, 2018
自宅では単語カードを作って学んだりしました。このカードの利点は、順番をシャッフルできたり、記憶が定着した単語を除いたりできることです。
とにかく利便性を追求しましょう。なぜならば繰り返すことが大事だからです。
動詞の活用に慣れよう
スペイン語を学ぶときに「難解だな」と感じるのは動詞の活用ではないでしょうか。
僕はスペイン語の学習を始めるときに「動詞の活用を覚えられるかな?」と不安になったのを覚えています。
スペイン語は動詞の活用が多くて覚えるのが大変。
とりあえずエクセルで表を作って、ひたすら繰り返し読む!という方法で覚えています。
※今は点過去を勉強中。さらに線過去、未来形、過去未来形…と増えていく…
おそるべしスペイン語😵 pic.twitter.com/B5IZ1k33ab
— Daruma (@daruma_miopini) August 24, 2018
スペイン語は動詞の活用を使いこなすことが重要です。最初は「覚えるのは無理」と感じるのですが、慣れれば「楽勝だった」という感じです。
この動詞の活用も、単語と同じように繰り返し学習することが大切です。
動詞活用アプリを使って調べよう
スペイン語の動詞の活用形を確認するときに重宝したアプリがあります。
勉強中や会話中に「この単語の活用は規則と不規則どっちだったっけ?」とか「接続法過去形はどう変化するんだったけ?」みたいなときに、サクッと調べることができます。
ここに時間を割くのは効率が悪いので、単語と同様に利便性を追求していきましょう。
このアプリの有り難さは学習が進めば進むほど理解することになるでしょう。みなさんも使ってみてはいかがでしょうか。学習の助けになるはずです。
スクールで基本を学ぶことは大事
多くの人は語学学校に通ってスペイン語を勉強していると思います。そこでの学びや人間関係は大切にしたほうが良いと感じています。
そこではただ単に座学で終わるのではなく、交流し積極的なコミュニケーションを取りながら、基本的な文法を学ぶことをおすすめします。
なぜスクールで基本を学ぶことが大事なのか
独学だと「間違っていても気がつかない」というのがデメリットです。スペイン語の勉強を始めたばかりのときは、何が正しいのかを判断できる状態にありません。
その結果、間違った型を習得してしまう可能性があります。一度習慣化したものを変えるのは難しいので、初期の頃はスクールに通い基本をしっかり学ぶことが大切です。
知っている単語を並べれば伝わるのですが、聞きづらいですよね。
スペイン語の勉強を始めたばかりのときであれば「喋れるじゃん」と褒めてくれるでしょうが、いつまで経ってもそれだと相手を疲れさせてしまいますよね。
相手とスムーズに会話をしようと思ったら、しっかりと基本(文法)を学ぶことは大切です。間違いを指摘してもらえるようなメンターを見つけましょう。
そしてそのような関係性を構築するためには、積極的にコミュニケーションを図ることが大事です。恐れずにどんどん交流していきましょう。
自分のライフスタイルにあった学習手段を選ぼう
スペイン語の基本をスクールで学ぶ手段はいくつかあります。下記で代表的なものを紹介するので、自分のライフスタイルにあった方法を選んでください。
オンライン
僕はまず最初にオンラインでスペイン語の学習を始めました。オンラインのメリットは以下のようなことが挙げられます。
- 時間の調整が簡単
- 価格が安い
- マンツーマンが基本
- 家から出る必要がない
僕は仕事をしていたし、夜の11時以降からしか時間を確保できなかったので、自宅で気軽に勉強できるオンラインは最適な方法でした。
また先生を選べるので、気のあった先生さえ見つかればメンターとしての大きな役割を果たしてくれます。
現状であれば、コロナの問題もあるので、このオンラインという手段はおすすめです。
僕はスパニッシモというオンラインスクールで学びましたが、他にもオンラインでスペイン語を学べるところはあります。
自分にあったオンラインスクールを選んで受講してみてください。
語学学校
語学学校にはいろんな種類があります。例えば大学のスペイン語学科もあれば、駅前スクールのようなものもあるし、留学して現地の語学学校に通う人もいるでしょう。
僕は語学学校で学んでないので、ここのメリットを実体験として正確にお伝えすることはできないのですが、同じ志をもった仲間と出会えるというのは大きな魅力だと感じています。
オンラインと比較すると、費用は高くなりますが、人と交流できるというメリットは大きいと感じますね。ひとりで頑張るのは、結構難しいことです。
会話(実践)をしながら学ぶ
言語を習得するときの自然な流れとしては「聞く→話す→読む→書く」というのが一般的なのではないかと僕は思います。
自分の息子を見ていて感じたのですが、最初は「聞く」ばっかりですよね。
次に「単語を話す」ようになり、「絵本などを読む」ようになる。「何かを書く」という作業はずっとあとになってからです。
だから僕は「聞く→話す」をしっかりとできる「会話(実践)」を大事にしました。
実践に勝る勉強法はない
座学が必要ないと言っているわけではない。
あなたが英語をしゃべれないのは、英語語を喋っていないからだ。
英文法の基礎を理解してから……。発音がうまくなってから……。日本人の多くは、外国人と喋る前にできる限りの準備をしようとする。
目的があり、それを達成するために準備すること自体は、すばらしい。でも、それを何日も何ヶ月も、もう何年もやっている人がいる。
堀江貴文氏の著書「英語の多動力」で語られていた内容です。そのとおりだと感じます。
僕はスペイン語を学ぶとき、すぐにオンラインレッスンを受講することに決めました。それはこれまでの英語学習で、座学のみの限界を感じていたからです。
座学でテキストばかり眺めているのと、実際にコミュニケーションをとりながら学習するのは楽しさも習得具合も違います。
喋れるようになりたければ、会話ができる環境を作ることを大事にしてください。
スクールでは基本的にキレイな言葉しか学ばない
僕がラッキーだったのは職場のスペイン人と仲良くなれたことです。
今日はスペイン人とスペインに10年間住んでいた日本人の友達と飲みに行ってきた。
いや〜全くついていけませんでした。友人が通訳してくれなきゃ会話をできませんでした。
何となく言っていることはがわかるときもあったり、スペイン語で返すことも出来たけど全然ダメ。
完全に能力不足。悔しい。
— Daruma (@daruma_miopini) September 24, 2018
僕のなかでは「9.24事件、飲み会での挫折」なんて言っているのですが、この頃の自分はオンラインスクールの先生とは良い感じで会話できていました。
職場でもスペイン人の同僚とランチして、それなりに意思疎通できていました。
ところが飲み会で、留学していた日本人の友達も交えて話をしたときは、全くついていけませんでした。僕のレベルに合わせるとテンポが悪くなる。
しかも下ネタが飛び交うんですね。僕はスクールでキレイな言葉しか学んでないので、何を言っているのか意味不明でした。
今までプールで練習していたけど、いきなり荒波の海へ放り出された感じでした。
実践の大切さを痛感しましたね。
モチベーションを維持するための工夫をする
学習には継続が必要です。長期的に取り組めなければ、習得することなどできません。
そして継続を保証するのはモチベーション。またそのモチベーションを保つための秘訣は明確な目標であり利便性であり仲間です。そこに工夫を凝らしましょう。
話せるまでにどれくらいの時間が必要なのか?
あくまでも目安でしかありませんが「300時間を費やせば、ある程度のスペイン語力を手に入れることができる」と言われています。
僕がスパニッシモの評価でB1に到達したのは、スペイン語の勉強を始めて4ヶ月後です。
B1レベルは「自分の体験をその時の感情とともに伝える」「あるトピックについて、自分の考えを伝える」などが可能という評価です。
B1レベルの評価をもらうまで。
☑︎勉強した時間は約280時間
☑︎かかったお金は約10万円約4ヶ月間、平均すると1日2時間くらいスペイン語の勉強をしています。
振り返ってみると我ながら頑張ってますね。ただ楽しいので苦労したという感覚はありません。 pic.twitter.com/E4zLfro9KP
— Daruma (@daruma_miopini) November 15, 2018
ここに至るまでに費やした時間は280時間でした。
飲み会のような下ネタが飛び交うカオスな状況でなければ、また自分が専門としているジャンルの会話であれば、それなりに意思疎通を図ることはできます。
まずは約300時間を目標に学習計画を立てていきましょう。
仲間を探して繋がろう
楽しければモチベーションを保て、モチベーションが高ければ成功する確率も上がります。
何が楽しいのかは人それぞれでしょうが、僕が楽しむために重要だったと思うものは「仲間」と「メンター(助言者)」ですね。
僕にとっての仲間はTwitterでフォローしているスペイン語学習者達で、メンターはオンラインレッスンの先生です。
同じスペイン語を学んでいる仲間が頑張っている姿を感じられたことはモチベーション維持の助けになりました。
またメンターが学習の手助けをしてくれたおかげで「理解できない」と挫けることがありませんでした。とても大きな存在です。
インプットとアウトプットの習慣化
ここまでのプロセスを構築することができれば、スペイン語を話せるようになれるでしょう。あとはインプットとアウトプットを習慣化させるだけです。
ここからは上記で紹介しきれなかった、もうひと工夫を紹介します。
ながら学習(受動的学習法)がインプットのポイント
受動的学習法とはどういったものなのか?それは朝食を食べながら学習中の言語をラジオで聞いたり、料理を作りながら音楽を聴いたりということです。
その言語のリズムや語彙力の向上に効果があるそうです。学習中の言語でテレビや映画を見ることも効果が期待できます。
以下の記事で、おすすめの動画を紹介しているので参考にしてください。
Webサービスを活用しよう
スペイン語を話せるようになりたい!そう思ったときに活用したいのはWebサービス。今の時代はネットでいろんな勉強をすることができます。
Webサービスを使えば、重たい参考書を持ち歩く必要もありません。スマホやパソコンを使って、いろんな場所で、ちょっとした隙間の時間に勉強をすることが可能です。
より多くスペイン語に触れ、楽しみ、話せるようになるためにWebサービスを活用しましょう。隙間時間に気軽にインプットをすることが可能になります。
ネイティブと繋がりアウトプットしよう
インターネットを使えば世界中のネイティブ達と繋がることも可能です。
例えば以下のアプリはHelloTalkというのですが、本当におすすめです。
HelloTalkは言語と文化の交流のために作成されたグローバルオンラインコミュニティです。世界登録ユーザーは2000万人以上です。
HelloTalkを使うことで、ネイティブスピーカーと簡単に繋がることができ、メッセージや会話を通して無数の外国語を勉強できます。
スペイン語でつぶやくとネイティブが反応してくれますし、間違った単語や文法を使っていたら添削までしてくれるので、本当にありがたいです。
ここまで紹介したプロセスが、みなさんがスペイン語習得の役に立つことを祈っています。
スペイン語を話せるようになって、一度しかない人生を楽しみましょう。